どうして体は歪んだり偏ったりするの?
何で歪むの? 何で偏るの?
こうして歪んだり偏ったりすることは、体に良くないと思われがちですが、そうではありません。
体が歪むから不調が起きると考えられがちですが、ある程度の歪みは逆に体を維持してくれます。
体は、必要があって歪んだり偏ったりして、日々歪みながらバランスをとってくれているのです。
ですから、正確に測ったようにバランスの取れている体という方が少ないぐらいですし、いつも同じ状態ではありません。
そもそも「歪む」とか「偏る」という表現の響きというか一般的な解釈が良くないですよね。
それぞれ個性や性質を表している今の形があって、その形で上手にバランスをとっていけるように常に形を変えています。
どんな必要があって体は歪んだり偏ったりするのか
最初にお話ししたように、体は常に歪んだり偏ったりしながらバランスをとっています。
どうしてでしょう。
それは、
体の状態に合わせて自分の軸を保ちながら動けるように
負担を一部に集中させないように
窮屈になっているところ(固いところ)を緩めるために
日々変わる体を維持していけるように、常に形を変えながら体を保とうとしているのです。
分かりやすい例でお話しすると、お腹が痛い時などに体を丸めるようにすることがありますね。
それは、お腹側に体を屈することで、お腹周りの緊張や強張りを緩めようとする。
痛みが出ていなくても、これと同じように、体の緊張や張り、痛みが出そうな部分をカバーするために、体は常にバランスをとって緩めたりカバーしたりしているということです。
そういった緊張や張り、滞りなどは、体の内部へも影響します。
内臓の働きが滞る時は、その部分に負担がかからないように、または動きを抑えるようにするためにも体は反応して変化したり、その部位に負担のかからない姿勢をとったりもしています。
寝相なども同様です。
右を下にしたり左を下にして寝ていたり、うつ伏せで寝たり、膝を立てたり、足を反対の脚に乗せて寝たり。
これらもすべて体を緩ませたり寛がせたりする格好でもあるのです。
ですから、起きていても寝ていても、自由に動けることは、自分の体の矯正にもつながっていくのです。
子どもが寝ている時に動き回るのも、この作用が働いていますので、怒ったりしないであげましょう。
体が痛みや不調のサインを出すとき
このように、体は常に変化しながら維持されています。
そのバランスが保てなくなると、痛みや張り、病気として体にサインを出し始めます。
どうなっていくとバランスがとれなくなっていくのでしょう。
偏りや歪みが大きくなりすぎてカバーできなくなる
固くなって動きに制限が出てくる
体と感覚のずれが大きくなったため
頭と体(思考と行動)の連動がスムーズでないため
こうして、カバーできる限界値を越えてしまうと、痛みや張り、違和感としてサインを発するようになり、それを越えていくと様々な病気へと進行していきます。
少しずつの積み重ねが体の感覚を鈍くしてしまい、歪んだ状態や違和感に慣れてしまう(コリや痛みも慢性化すると慣れてしまう方は多いです)。
そうやって体と感覚がずれていくことで、体の均衡が保てなくなってしまうのです。
痛みや違和感というのは、それを知らせるためのサインということです。
ですから、肩こりや腰痛、頭痛なども放置したり繰り返すことが多くなると、その歪みは深部にも影響し、より根深いものへと進行してしまいます。
敏感な体は、違和感に気づきやすくなるので良くなっていないような気になりやすいですが、その感覚が何よりの予防に繋がっていきます。
自分の変化に気づける体と心であり続けたいですね。
体と感覚のずれを大きくしないために
体と感覚のずれというのは、どうやって防いでいけるのか。
それは、自分の気持ちに素直になっていくことです。
そもそも身体から出るサインというのは、自分の潜在意識(無意識)の領域から出されるメッセージ。
パソコン作業が多いから肩こりになるという人が多いですが、パソコン作業が多くても肩こりにならない人もいます。
もちろん行き過ぎは体に負担をかけますし、忙しい時に疲れが出ることもあります。
しかし、一時で解消される人と、持続的に続いて解消されるどころか、より辛い状態になったり、ケアしても直ぐに繰り返したり戻ったりする人がいるのは何ででしょう。
ただ一時的に肩がこる人は、一時のケアで楽になり調子よく動いていけます。
継続的に肩がこる人の多くは、肩が張る原因がどこか他のどこかを庇うための結果として肩こりが出ている場合は、肩だけ揉んだりほぐしたりしても、元々の場所が解消されないので直ぐに肩こりが戻ります。
その元の部分を良くしないままだったのは何故か?
我慢、力み、気負い、物事の抱え込み、気張り、
などなど、その内側にある人それぞれの心理が、それらを作っています。
忙しかったからとか、理由はいろいろ作れるとは思いますが、それさえも心理的な作用が起こしていることです。
そこを見ずに今の体の状態は変えていけません。
そうやって自分を後回しにしていくことで、体と感覚のずれは大きくなってしまうのです。
自分を良くすること、周りを良くすること。
気づいているのに抑えてしまっている気持ちが心の奥にありませんか?
そこに抵抗するための理由を他に向けていませんか?
自分で気づけなくなっていても、潜在意識は気づいています。
自分も周りも、良くなった方がいいって誰もが根本にある気持ち。
どんなことであろうと、自分を責めても、他者を責めても、その抵抗は抵抗した分だけ自分に返ってきています。
人の悪口言ったって、自虐のストレス発散したって、天邪鬼になったって、
そんなことしても心の底から気分が晴れないのは、自分の奥深くでは分かっているから。
その積み重ねが体と心のずれを大きくして、体も心も歪みや偏りを大きくします。
そして、体と心が窮屈になりバランスを維持できなくなり、痛みや張り、体の諸々の症状へと繋がってしまいます。
体がバランスをとれて楽な体でいられるように。
体と心が調和して、毎日を心からの笑顔で過ごしていけるように。
自分の心に気づいて、抵抗せず、素直に、そしてしなやかな自分に。
それが自分を整えて保っていくための秘訣です。