ストレートネックは肩こりや頭痛の原因ではない
慢性の肩こりや頭痛などの症状をお持ちの人に多い思い込みに
「ストレートネックだから」
というのがあります。
けっこう当たり前に話をされる人が多いのですが、ストレートネックの多くは肩こりや頭痛の直接的な原因ではありません。
部分的にみたら首の骨の湾曲が少ないからじゃないかな?
という程度の理由づけでしかありません。
ストレートネックとは、その名の通り首の骨がまっすぐ、またはまっすぐに近いという状態のこと。
首から尾骨まで連なっている背骨というのは、前後に自然なカーブを描いてつながっています。
これがクッションのような役目をしたり、自由な動きを可能にしているわけです。
とくに首の上には、頭というものが乗っていますので、そのカーブが重みを和らげる機能も果たしている。
そのカーブが少なくて、頭の重みが肩にのしかかって負担になってしまうために、肩や首のコリ、緩めないために起こる頭痛などの症状を発するというのが、この「ストレートネックだから」という理屈です。
僕はこの首も背骨も何千人と見てきましたが、この湾曲は人それぞれですし、同じ人でも日々変化します。
体というのは日々変化しています。
同じ状態で固まっているということは皆無でしょう。
緊張すれば筋肉が固くなりカーブを減らして体を守ることもある。
他の部分とのバランスをとるためにカーブを増減したり、首を前に屈めさせて負担を減らすこともある。
そうやって体は自然と調整してくれている。
で、ストレートネックというのは、その一瞬の一部分を切り取ったものでしかないのです。
40歳を過ぎて体を調べたら、何かしら出ているでしょう。
ストレートネック
ヘルニア
関節の変位や摩耗など
でもね、それがあってもなくても、痛みが出る人と出ない人がいる。
それは、そのことだけが原因ではないからという証明でもあります。
体全体が自然にバランスを取り合えているかどうか。
補い合えていないから症状として出ているということ。
それなのに首の牽引(けんいん)をしたり、バランスを崩したまま筋肉をつけるようなことをして自然に起こる体の調整機能を鈍らせてしまう。
一時的に痛みを緩和するだけならば薬は有効な時もあるけど、必要以上に薬に頼りすぎてしまって体の治そうとする力を鈍らせてしまいます。
そして、ストレートネックだからという思い込みと諦めが、治す力さえも出させなくしてしまい
「ストレートネックだから肩こりや頭痛に悩まされる私」
を作りだしてしまいます。
思い込みは無意識という領域に入り込んでしまい、そういう体でいることを作り出してしまう。
「ストレートネックだから肩こりや頭痛を起こしてしまう」という思い込みは外していきましょう。