子供の整体をしていて感じること
これは以前から感じていたことなんですが。
最近の子供達は身体の疲労蓄積が大きいということ。
言い換えると疲労回復が遅いので疲れが溜まってしまうということです。
当サロンにも整体を受けに来る小学生から中学生、高校生が、サッカーやソフトボール、陸上競技などをしているお子さんが、怪我以外の脚の痛みや腰痛などで来院されます。
接触での怪我は別としても(実際には別でない場合も多々あり)、疲労の蓄積で何かの拍子に痛みとして出てきたり、捻挫や骨折など回避するための柔軟性が活かされなくなるほど疲れが溜まってしまっているからなんです。
これはスポーツに関わらず、腰が張ったり肩コリのするお子さんも同様です。
私たちが学生の頃は、足が痛いとか腰が痛いなんて言ったとしても「気合いが足らない」なんて聞く耳持たずに無理やり練習させられていましたが(笑)
私たちの子どもの頃にしても一昔前の子どもからすると、だいぶ貧弱だったと思います。
それはなぜか?
生活が洋式化されて身体使いが変わってきているからなんです。
それが悪いということではないのですが、スポーツでの鍛え方も洋式化されてきているため、体にある筋肉の中でも力が出る大きい筋肉を使う身体使いになっているということなのです。
逆にいうと大きい筋肉は意識しやすいけど、細かい筋肉は意識しづらいので鍛えられにくいのです。
身体の大きい海外の方には、そういうトレーニングは合っているのかもしれませんが、海外に比べると身体が小さい日本人には合いません。
いや、合わないというより活かされていないという方が正しいかな。
ここ数年、インナーマッスルとか体幹トレーニングとかいろいろ出ていますが、それよりも僕は日常どれだけ使えるような生活をしているのかが大事だと考えています。
今でも日本における「道」とつくもの(空手道や剣道などの武道や茶道、書道など)では、礼法や呼吸、手の動きや動作の所作(しょさ:ふるまい、仕草、立ち振る舞い等)というものが大事にされます。
それは指や関節が連動する柔らかな動作。
そういった所作を身につけていくことで、より細やかな動きや繊細な動きが可能になります。
これが日本人に合った身体使いでもあります。
こういった所作を繰り返して身につけることで、身体の細かい筋肉を動員して無理のない動きが出来上がっていきます。
しかし、この細かい動きに使われる筋肉は意識して使おうと思っても直ぐに出来るものではありません。
私自身スポーツクラブでトレーニング指導をしながら自分のトレーニングもしていましたが、細かい筋肉を意識して動かすというのは本当に難しい。
というより、ちゃんと動かせていたかも疑問です。
それが一般の人なら尚更難しいです。
細かい筋肉は鍛えるよりも先ずは使うこと(動かすこと)が大事です。
その作用があるからこそ大きい筋肉をより活かせる身体になってくるんです。
そして細かい筋肉は大きい筋肉と比べると疲労回復が早いです。
大きい筋肉の疲労は2日休ませなければ回復しないとしたら、細かい筋肉は1日で充分というぐらい違ってきます。
昔は土の上を裸足で走り回ったり木登りしたり、畳の上で正座したり立ち上がったり、自然と足の指使いが出来ていました。
しかし今は靴の機能が良く、靴下を脱いで生活することも少なく、フローリングを足を擦るように歩いても生活できてしまいます。
その環境から足の指が使われず、特に親指が上手く使えていないと外反母趾のように親指が外側に向いていき、若年性の外反母趾になってしまう子供も多くなっています。
これは足の指使いの作用によるものがとても大きいです。
これは子供だけでなく大人でも大事なことです。
それでは、実際にどういう順序で足の指を使えるようにしていくかというと
1、まずは固くなって動きが悪くなっている足首(足指が使えていない子のほとんどが足首が固くなっています)を回して緩める。
2、次に、使っていない(上手く使えていない)足の指を意識することから始めます。
こうやって動かしたり指に触れることによって、意識が向くと神経の伝達の仕方も変わってきます。
3、慣れてきたら足の指でタオルを掴んで巻込んでいく練習
これは簡単なようでけっこう難しいです。
足の裏や指がつらないように気をつけてくださいね。
4、最終的に歩いたり走ったりする時に足の指で地面を掴める身体にしていく
この段階を経て下半身が上手く使えるようになると同時に腰から脚への動きがスムーズになり疲れも残りにくくなっていきます。
腰から下の使い方が出来ると上半身を上手く支えられるようになるので、結果的に全身の使い方が変わってくるということになります。
是非お子さんと楽しみながら実践してみてくださいね^^
そして、もちろん日常のストレッチや身体のメンテナンスも大事です。
スポーツをしているお子さんでしたら、怪我の予防と身体能力を活かしていくためにもケアと休息は大切です。
プロを目指したり競技力向上のためには必須と言ってもいいぐらい。
ケガなどをして選手生命を潰してしまわないようにしてください。
何度も言いますが、気合いだけで乗り越えられた一昔前の子供達とは根本的に身体が違いますからね~(笑)
子供の夢を大事に育んでくださいね。
コツコツと面倒なことだと思いますが、こういったことの積み重ねが無意識の動きになって身体を変えていきます。
子供だけでなく大人になってからも身に付くことですので参考にしてください。