季節の変わり目に体調を崩さず上手く過ごしていける方法
今月の20日(土)から土用入りし、11月7日の立冬までが土用という四季の季節の変わり目です。
この季節の変わり目に体調を崩しやすいという方は多いですね。
土用の期間というのは、その人の本来の状態が出やすい期間となります。
この土用の時期を上手く過ごしていくコツは、自分の素の状態を認めてあげられることが大事です。
素の状態とは、偽りのない本来の姿。
体も心も、周りの環境も全てが今の自分という事です。
この良し悪しではなく、ただ、今こうなんだと認めてあげることが大事ということです。
土用の「土」と「用」
身体には、元々持っている原気(げんき)というものがあります。その人の土台のエネルギーのことです。
これは日々飲食や大気、諸々の気という栄養を受け取って増減を繰り返します。
土用の「土」は、五臓六腑でいうところの脾臓。
東洋医学でいう脾臓は、消化吸収、免疫機能、ホルモン分泌と深く関わります。
そして「土」の作用は、五臓全てのエネルギー供給をコントロールする土台。
人を形成する根本の働きが、この「土」の働きにより成り立っているということです。
「用」とは,性質のもつ働きや動きのこと。
この土用の期間は、「土」の性質のもつ働きが表に表れる期間だということです。
それぞれの季節で動いていくエネルギー
春夏秋冬と、それぞれの季節に応じたエネルギーが大きく動きます。
そのエネルギーの強弱が生まれることで、人も自然もバランスが保たれています。
しかし、この土用というのは、そのエネルギーが発生しないことで、本来の力だけで成り立っています。
他のエネルギーに頼れず、そのものの状態でいるということ。
土台の状態が弱くなっていると他のエネルギーが止まっている時には、その状態が露呈されます。
良くも悪くも土台の状態そのままの性質が表に出てしまうということです。
季節に応じて作用する心の動き
本人の意識の有無にかかわらず、人は心の動きや感情で動いています。
心や感情が発するエネルギーも身体に大きく影響する。
体の状態が感情など心の状態にも影響する。
それらは季節のエネルギーによって大きく作用します。
この土用に当てはまる心の動きは「思・慮」。
考え込む。憂い悩む。思いつめる。
このようなことがふだんから強い方は、特にこの時期には影響を受けやすくなります。
「思・慮」が強くなりすぎると、土台である脾臓の力を弱めてしまう。
逆に脾臓の働きが弱っていると、この思・慮というものが出やすい傾向になります。
土台であるからこそ「土」の働きは季節を問わず常に影響します。
消化器系の調子を崩しやすい方、免疫系が弱く病気になりやすい方、ホルモンバランスを崩しやすい方などは、特にこの傾向が強いということです。
それがこの土用の時期に大きく出てしまいます。
どの感情が日々の原動力になっているのか。
どれが良いとか悪いという話ではありませんが、季節によって影響しやすいされやすい感情や心の動き。
そして心や感情の偏り、抑制によっても季節に応じて体に影響していくということです。
自然のエネルギーと同様に、自分の中から発するエネルギーも体にも外にも影響する。
このように体というものは心とも周りの全てとも影響をし合って成り立っているということです。
出るものを止めないで経過させること
症状というものを止めたり抑えたりするという考えの方も多いと感じます。しかし、それが本当に良いことなのか?
特にこの土用の時期は、排出できなかったものを出して次の季節に繋げるための作用として出ています。
繰り返す痛みやかゆみなど、辛い症状は直ぐにでも止めたいところですが、症状を改善していくためには止めるのではなく経過させていくことが改善への近道。
今こういう時期なんだと感じ、そして何が身体に作用して出ているのかということを自分事として考えて改善していかなければ何も変わりません。
この時期に出る症状は、今までの自分が作ってきたもの。
それを否定して抗うと症状は強くなっていきます。
症状というのは自分に何かを気づかせるためのサイン。
心の状態はどうなのか?日々摂っているものはどうなのか?
そういったことを見直して自分の身体へのケアを考えて取り入れていくこと。
良くても悪くても常に自分の体を労わって慈しむ。
自分の素の状態を認めて本来の姿でいられるように。
心の底から求めるものを表現できるように。
抗わず、恐れず、否定せず、ありのままの自分として存在できること。
それがこの土用の時期を上手く過ごしていけるようになる方法です。
体操教室では、このようなことをお話ししながら、無理せずに身体を変えていく方法をお伝えしています。
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